私たちが家づくりをするときに、大切にしているもの。

星の王子さまが「本当に大切なものは目に見えない」といったように、いい家をつくるために大切なものも、多くが目に見えないものだったりします。だから意識しにくい。でも、それがあるかないかで、家の質は大きく変わってしまいます。人生を豊かに暮らせる、いい家をつくるために、私たちが家の設計で大切にしているものをお話しいたしましょう。

風土

風土
家は場所がないと建てられません。そしてすべての場所には特有の風土があります。日本の西と東の風土が違うように、この九州の中でも風土は場所によって違います。家は風土に寄りそうようにつくることで、暮らしやすい快適な家になります。風土の特長に逆らわず、逆にその風土の特長を家の快適さに取り入れていく。風土を知る。家づくりの第一歩だといえましょう。

地域

RSCR20150302054_R
家は街の一部でもあります。だからこそ地域にふさわしい家の外観を考えたい。家を建てるということはその街の美観に参加するようなことなのです。地域の秩序を無視して建てたばかりに、自分が毎日帰っていく場所である家が違和感たっぷりで周りから浮いていたとしたら、気持よく暮らせないですよね。地域の秩序のを読み込んで、そこから家のあり方を考えていくことで、心から満足できる家の外観ができていきます。

春夏秋冬

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
夏は快適なのに冬は快適じゃないなんて、いやですよね。シーズン通して快適な家にするというのは基本ですが、さらには季節それぞれのよさも楽しめる家にしたいものです。風や光は季節によって違いますし、植物なんかはその季節を目で楽しませてくれるものでもあります。そういう季節の魅力も、その家で暮らす心地よさの中に取り入れていく。季節の移り変わりが楽しみになるような家。素敵だと思いませんか?

配置

12.6_ren_088
敷地に対して建物をどう配置していくか?これもとても大切なこと。それによって風や光を心地よさに変えることができますし、また近隣とのプライバシーの確保もしっかりしておかないと、落ち着いて暮らせません。配置を考えるということは、外との関わりを考えることで、家というものは外から切り離して考えられるものではないのです。いい家には、必ず外とのいい関わりがある。これは法則のようなものです。

色

12.6_ren_155
家にとって色も大切な要素。わたしたちの目は寝ているとき以外、いつもどこかを見ているわけですから、色をおざなりにすることはできません。信号の色を思い浮かべればわかりやすいと思いますが、色は見た目の印象ばかりか、心理にまで影響するものです。落ち着かない色に彩られた落ち着く空間なんてありえないわけですね。そのものの色はもちろん、色の組み合わせ、素材と色の関係、あるいは光があたったときの色などなど…、ダジャレじゃありませんが、色を決めていく判断基準はいろいろあるのです。その中からしっくりくる色を決めていく。それだけでも空間の居心地は大きく変わってくるのです。

素材

RSSCR20150623281
素材はわたしたちに質感や触感をあたえてくれます。木や土といった素材なんかは、心落ち着く香りをあたえてくれたり、さらには湿度コントロールまでしてくれるのです。さまざまな素材を組み合わせて、居心地のいい空間をつくっていくことは、わたしたち設計者にとって、まるでオーケストラの指揮をするみたいに、変幻自在に豊かなものをつくっていくようなことなのです。素材にこだわる。大切なことですよ。

光と風

RSCR20150302550
光と風は自然の中にあるものですが、これを心地よさとして家づくりに取り入れることで、「色」や「素材」があたえてくれる心地よさが相乗効果的によくなっていきます。自然のものである光や風には1/fゆらぎというものが含まれていて、これが人を心地よくさせてくれるのです。エアコンの風は不快だけど、自然のそよ風は心地いい。と、そんな覚えありませんか?わたしたちにとっては風や光も欠かすことのできない建築材料なのです。

余韻

RSCR20150302398
よく音楽の余韻にひたるとかいいますが、空間にも余韻があるのですよ。その空間があたえてくれるさまざまなものを、わたしたちは五感で受けとめます。それが一瞬で終わるのではなく、ああ、いいなぁ、と余韻をともなって感じさせてくれる。たとえば素敵なカフェなんかにいると、落ち着きますよね。あれは空間の余韻にひたっているのです。くつろげるということと、空間の心地よい余韻は無関係ではありません。

気配

RSCR20150302303
そこで暮らす家族の気配を感じ合うというのも、家族がそこで仲よく暮らしていく上で大切なことです。とくに小さなお子さんがいる家は、家族の気配を感じ合うということは心の成長にも関係してきます。安心感や、ひとのぬくもりは、心に落ち着きをあたえてくれるのですね。家族間のプライベートを確保しながら、ちょうどいい距離感をつくるために、気配は大切なキーワードなのです。

しつらい

RSSCR20150623229
家だけでは空っぽでそこで暮らしていくことはできません。家具やインテリアなどがあって、はじめて家は暮らしていける場所になる。してみるならば家はあなたらしい、しつらいをしていくための空間ととえることもできます。だからこそ、家の設計にはあなたらしさを加えるための“余白”が必要です。家は暮らしながら、あなたらしくしていく場所でもあるのですね。

気配り

12.6_ren_072
どんなにくつろげる家でも、暮らしにくかったらつらいですよね。家はずっと暮らしていく場所です。だから家族のライフスタイルや、とくに家にいちばん長くいて、家事もこなす奥さまにとっては、家事のしやすさなんかは大きなポイント。一般的な知識ではなく、その家族にとって具体的に暮らしやすいとはどういうことなのか?そこを読んでいくことは、建築家の重要な仕事だといつも肝に銘じています。暮らしやすいかどうかを気配りした設計をする。それがまた、その家の心地よさへとつながっていくのですから。

奥床しさ

RSSCR20150623064
家の外観、あるいは空間を心地よくするための素材や意匠などさまざまなもの。それらがあまり主張しすぎるのも考えものです。あくまでも暮らす人の無意識に、さりげなくうったえるような奥床しさが必要です。うるさい主張だらけの空間ではそもそもくつろげませんよね。それにすぐに見飽きてしまいます。やりすぎない奥床しさもまた、いい家を設計するための忘れてはならないことだと思っています。

上質さ

RSSCR20150623178
上質であること。いい家は上質な暮らしを生み出し、その上質な暮らしは心を、そして人生を豊かにしてくれます。単純に家族構成に合わせただけのような間取りの家と、きめの細かい設計によって、上質な暮らしを生み出してくれる家で暮らした場合をくらべたら、きっと人生の幸せさにおいても、とても大きな差が出るのではないでしょうか。上質であることが、豊かな感性を育み、人生をより楽しくしてくれます。家をいかに建てるべきかということは、人生にとってもすごく大切なことなのですね。

心地よさ

RSACR20151004081
ここまで説明すれば、心地よさというものはいろんなものでつくられているんだなぁとご理解いただけたのではないでしょうか。そう、家の心地よさというものは、本当にさまざまなものによってつくられているのです。逆にいえば、心地よさとは一言で説明できるものではないのですね。そして、毎日を心地よくしてくれるもの。それがいい家です。そんな家を、わたしたち連空間デザイン研究所といっしょに、建ててみませんか?