益城の家
この家は長年連れ添った夫婦ふたりのための住まいです。確立したライフスタイルを背景にしたシンプルで明快なリクエストと率直な意思決定によって、打合せはとんとんと小気味好く進みました。住み手のリクエストにすべて応えることはもちろんですが、設計者として気を付けたことがいくつかあります。家事動線がシンプルで機能的でありながら、夫婦やひとりで過ごしたりくつろいだりすることを中心にして心地よさが妨げられないこと。老後のことも考えて寝室は明るく開放的にすること。プライベートとパブリックの区別があり簡単に連続もできること。そしてどの仕事にも共通するのですが、街並みに馴染む普遍的なデザインであること。気候風土を積極的に取り込むこと。簡素で人の手間が感じられるモノづくりをすること、などです。
また、完成して引渡し後1年を目前に熊本地震の震源地として被災されましたが、ご夫婦にも家にも被害はなく無事建築が生活の復興の拠点になり続けることができました。
― 益城の家 ―
竣工/2015年4月
所在地/上益城郡益城町
工事種別/新築
主要用途/専用住宅
構造・構法/木造(軸組在来工法) 平屋建て
基礎/コンクリートベタ基礎
敷地面積/340.56 ㎡(103.01 坪)
建築面積/86.18 ㎡(26.06 坪)
延床面積/83.63 ㎡(25.29 坪)
― 主な外部仕上げ ―
屋根/カラーガルバリウム鋼板
タテハゼ葺
外壁/窯業系サイディングt14貼、一部モルタルドイツ壁
開口部/アルミサッシュ複属ガラス
玄関ドア/木製框戸
― 主な内部仕上げ ―
床/ナラ無垢フローリング
壁/クロス貼
天井/クロス貼、一部 梁現出し
建具/木製建具
造作家具/シナ、ナラ、ポリフラッシュ合板
カウンター/タモ無垢