しあわせな暮らしのワンシーンというようなものであれば目に見えるけれども、しあわせそのものは目に見えない。
かつて「星の王子さま」に登場するキツネが「いちばん大切なものは目に見えない」といったけれども、それは、しあわせのことでもあるのだろう。
見えないという点では“時間”と同じなのかもしれない。わたしたちは時間を感じることはできるけれども、それを見ることができない。
でも、そんな時間が空間だったり、ものだったり、いろんなものに染み込んでいくことをわたしたちは知っている。
同じように、しあわせだって空間に宿っていくのだと思う。そう、しあわせな家族の家には宿っている。
それを“見ることの達人”である写真家は見逃さない。「しあわせの宿る家」は、そんな写真家のいわば視線の記録のようなもの。
余計なものが削ぎ落とされたモノクロームの世界に宿っている、写真家が見つめたしあわせの気配をあなたも感じてみてください。
ようこそ、しあわせの宿る家へ。